エア食い防止ネットと転覆病の琉金のイメージ

金魚のエア食いをやめさせて転覆病を完治させた方法の後編になります。

前編では金魚の転覆病のまとめ記事となっていますので、そちらの記事と合わせて読んでいただければ分かりやすいと思います。

金魚の転覆病の原因と治し方【水面矯正ネットで完治】

さて後編のこの記事では、エア食いを完全に遮断するネットの導入方法と、エサについて、そして金魚の浮き袋の仕組みなどを書いていきます。













エア食い防止ネットの導入方法

他の記事も読んでいただければ分かりますが、色々ありまして金魚のエア食いを完全に防止するには、水面付近にネットを張るしかないという結論に至りました。

そこで自宅にあったプラスチック製のネットを水面全面を覆う形で設置しました。

使用したネットはタキロンの「トリカルネット」という商品で、網目の大きさが13mmのH03という品番になります。

園芸用の鉢底ネットでも代用できそうですが、網目が細かすぎるとエアレーションによる空気溜まりができる可能性があるので、なるべく粗目のネットを導入して下さい。

また、金魚がネットに触れた際にケガをしないよう、肌触りなども確かめて下さい。

特に必要な大きさにカットした際の切り口は、滑らかになるようハサミ、ニッパー、ヤスリなどで手入れして下さい。

タキロン「トリカルネット」のおすすめ購入方法

私がトリカルネットを購入した時は20メートル巻きで購入したので2万円近くしたのですが、水槽で使うだけなら1メートル位で十分だと思います。

ただ、Amazonや楽天などの大手ネットショップでは、今のところ安価な切り売り対応しているところがありませんでしたので、ホームセンターで探した方が安く手に入ると思います。

もしもホームセンターで見つからなければ、コメリのネットショップが便利ですので、そちらの利用がオススメです。

コメリドットコム – トリカルネットH03

良心的な料金設定ですし、近くにコメリの店舗がある場合は、送料無料で店舗に発送してもらえます。

※注文の際は数量に注意して下さい。



エア食い防止ネットの設置方法

エア食い防止ネットの設置方法は至ってシンプルです。

プラスチック製のネットを水槽ギリギリの大きさにカットして吸盤などで取り付けるだけです。

エア食いのクセが強い金魚や好奇心旺盛の金魚は、ネットの隙間を抜けようとするケースもあるので、体が小さい若い金魚が入っている場合は注意して下さい。

トリカルネットを設置した水槽のイメージ

フィルターの配管処理

投げ込みタイプのフィルターを使用している場合は、エアレーションのエアチューブだけなので簡単ですが、外掛けフィルターや上部フィルターなど外部式フィルターを使用している場合は、必要に応じてネットをカットしなければなりません。

金魚が通り抜けできない隙間で、かつ水換えやメンテナスの時に脱着がしやすいことを考慮して場所を選んで下さい。

通常は水槽の角付近に配管するのがネットのカットが簡単ですし、メンテナンスにも支障が出にくいと思います。

水面からネットの距離

水面からエア食い防止ネットまでの距離は、最低でも1cm以上必要です。

もしも大型の金魚が入っている場合は、吸い込む力が強いので1cm程度では水と一緒に空気を食べてしまうので、2cm以上必要になります。

ネットの高さ調整は、レバー式の強力タイプよりも普通の吸盤のほうが簡単ですが、吸盤が外れてしまうとネットが落ちる危険があるので注意して下さい。

釣り糸などで吊るす方法でもキチンと固定できれば問題ありません。

また万が一落下した場合でも、金魚が動けるスペースを確保しておけば安心です。



ネットを設置しているのに転覆する

エア食いのクセが強い金魚は、思いもよらぬ方法で空気を吸うことがあるので注意して下さい。

例えばエアレーションの空気をエアストーンから直接食べたり、ネットギリギリまでパイプで空気をリフトしているのに、そのパイプとネットの隙間をバキュームして空気を食べたりと、執着心と言うか、その執念には驚かされます。

私の場合は、投げ込み式フィルターの吹き出し口にカットしたペットボトルを被せて対応しました。

はじめは被せたペットボトルが緩かったので、ペットボトルを押して空気を吸われたので、何か中毒性がある気体が出てるのではないかと疑いたくなったほどです。

また、外部式フィルターを使用している場合でも、落下する水で発生するエアーを食べるので、クセが強い金魚の転覆に注意して下さい。

以上のようなことに注意して完全に空気を遮断すれば、エア食いによる転覆病は発症しなくなる筈です。

そもそも金魚に空気を与えないで大丈夫?

基本的にエアレーションなどを行っていれば、金魚に空気を与えなくても酸素不足で死んでしまう事はありません。

エア食いネット導入直後は、いつもより沈んでしまう金魚がいますが、1~2週間で慣れてしまうと思いますので、様子を見ながら調整して下さい。

それと、夏場に水温が上がればは酸素濃度が低下してしまう恐れがあるので、エアレーション不足に注意しましょう。

また水温が高すぎる場合は、冷却ファンなどを取り入れれば、水温の低下と酸素濃度上昇の両方が期待できます。

金魚が空気を食べる理由

金魚が空気を食べる理由を長年考えてきましたが、エア食い防止ネットを導入して分かったことがあります。

それは、エア食いが激しい金魚に空気を食べさせなかったら、水槽の底に沈んでしまうと言うことです。

これが何を意味しているのかは、金魚の浮き袋の構造を考えれば答えが分かりました。

金魚の浮き袋は直接空気を取り入れるタイプ

コイ目に属する金魚の浮き袋(鰾)は、空気を口から直接取り込んで調整しています。

つまり金魚のエア食い行動は、エサ欲しがる行動だけではなく、もともとは生理現象の一種であるともいえるのです。

さまざまな鰾

気道の有無

鰾は本来は消化管から分岐した器官で、消化管とは気道で繋がった開鰾(有気管鰾)であった。しかし一部の魚類では、気道を失い消化管から離れた閉鰾(無気管鰾)となっている。開鰾魚では、水面に顔を出して空気を直接気管から鰾に取り込むが、閉鰾魚では、鰾の周囲にある奇網からガス腺と呼ばれる細胞を介してガスを取り込む。
サケ目、コイ目、ニシン目、ウナギ目などは、一生を通じて開鰾である。いっぽう、ハダカイワシ目、タラ目、スズキ目などは、仔魚のうちに気道を失い、閉鰾となる。ただしウナギ目は、開鰾魚であるがガス腺も持つ。

Wikipedia – 鰾より

エア食い現象が悪化する理由を考えてみると、やはり給餌と関係ありそうです。

  1. エサを欲しがっている
  2. エサの臭いがする水を味わっている
  3. エサを食べて体が重くなった
  4. 空気を食べる遊びになっている
  5. 他の金魚の真似をしている

このような事が考えられますが、これらの行動で浮き袋に必要以上の空気が入ってしまうのだと考えられます。

そしておそらく、何度も多量の空気を入れられた浮き袋は肥大してしまい、金魚が自分でコントロールできない大きさになってしまうのでしょう。

また、転覆病が激しい金魚は、エア食い防止ネットを導入すると沈んでしまう傾向があるので、浮き袋の開口部が閉じなくなって取り入れた空気を保持することが出来ないのかもしれません。

ちなみに転覆傾向がない金魚は、エア食い防止ネットを導入しても、すぐに慣れて問題無く泳ぎ回ります。

これは水換えの際などにも、定期的に空気を取り入れているからだと思われますが、浮き袋から無駄に空気が漏れることが無いのでしょう。

それと、もしかしたら肥大化した浮き袋でも空気を取り入れなければ、正常な大きさに縮小する可能性もあります。

金魚の浮き袋の位置

琉金やピンポンパールは転覆しやすいと言われますが、これはその体形による浮き袋の位置が関係あると思われます。

またエサを多く与えられた肥満金魚が転覆しやすいのも同じ理由です。

腹部が大きくなるとバランスがとりにくくなったり、内臓脂肪や膨れた腸により浮き袋が正常な位置からズレてしまうのが原因なのでしょう。

エサ(浮上性・沈下性)と転覆病の関係

最近はエサの浮上性と沈下性は転覆病に直接関係ないと唱える方が多くなっていますが、私もあまり関係ない思っています。

むしろ浮き袋について学んだ、最近では沈下性のエサは金魚に負担を掛けるのではないかと考えています。

浮上性のエサと沈下性のエサの違いは、同一配合のエサの場合は比重の違いだけだと思われます。

つまり、同じ量のエサを比べると、沈下性のエサのほうが少し重いのです。

これはエサが水に沈むように、ギュッと密度が締まっているためです。

以前の記事でも紹介した、キョーリンの腸内変化試験では沈下性のエサは消化器官前部で浮上性のエサより原形が残っていました。

エア食いをしないエサの共通点

これはつまり、金魚にとって腹が重い状態なのではないでしょうか。

それと一言に沈下性のエサと言っても、沈むスピードはエサごとに異なります。

以前の記事で、日本ペットフードのエンゼルを与えたら転覆病の症状が改善したと書きましたが、このエサは沈降性と表記されており、沈むスピードは他の沈下性のエサより少し遅いです。

他には土佐姫というエサも転覆病に良いという書き込みをよく見かけますが、こちらも顆粒タイプで沈むのが遅いエサです。

金魚を飼うときは浮上性のエサで

金魚を飼うときは、ペットショップやホームセンターで購入されることが多いと思います。

それらで使われているエサは浮上性であることが殆どです。

そして購入してきたときは、初めからエア食いして転覆する金魚はあまりいないと思います。

つまりエサを欲しがるだけの、転覆病を伴わないエア食いが気にならないのであれば、浮上性のエサを使った方が金魚への負担は少ないと考えられます。

まずは購入する際に使っているエサを聞いて、同じエサから試してみましょう。

フンに混ざる空気はエサの消化不良なのか?

空気糞(金魚の糞に空気が混ざった状態)のイメージ

フンに混ざる空気はエサの消化不良だと言われることが多いのですが、誤飲した空気を排出しているだけの可能性が高いのではないでしょうか?

エア食いをさせてない金魚が空気フンをすることは無いからです。

また金魚には胃がありませんし、長時間体内に糞を留めておくこともありません。

ですから消化不良による醗酵が、多量の気体を発生させるほど起こるとは考えにくいのです。

それに腸から浮き袋に入れた空気を排出する場合は、再び腸に返していると考えるのが自然です。