金魚を飼っている人なら誰でも、金魚が水面をパクパクしている光景を見たことがあると思います。
懐いている金魚なら、これはエサを欲しがる行為だったりするので、飼い主には可愛い行動だったりしますよね。
しかしネットでは、このエア食いが原因と思われる金魚の転覆が多数報告されています。
果たして本当に空気を食べることが原因で転覆病を発症することがあるのでしょうか?
なぜ金魚は水面で口をパクパクするのか
そもそも金魚はなぜ空気をパクパクするのでしょうか?
いくつか原因が考えられますので、順番に見ていきましょう。
1.エサを欲しがっている
まず一番に思いつくのは、人影を見てエサを欲しがっていると言う事です。
金魚はとても賢い魚なので、エサを貰える時間帯や、エサを与えてくれる人をおぼえます。
ですからいつも餌をくれる飼い主が水槽の前を通ると、水面をパクパクして、まるでエサをちょうだいとアピールしているような行動をします。
しかしこれは一時的なものですから、これだけが原因で転覆病になると言うことは聞いたことがありません。
浮上性のエサを使用している場合は、沈下性のエサに変更することで行動パターンが変わることもあります。
2.酸素不足で水面を漂っている
金魚はエラを使って水中の酸素で呼吸しています。
ですから何らかの理由で水中の酸素濃度が低くなると、金魚は酸欠になってしまいます。
水槽の水面は直接空気と触れているので、水中に比べ僅かに酸素濃度が高くなっています。
つまり金魚は息苦しくて水面をパクパク鼻上げしているのだと考えられます。
酸欠時の金魚は、非常に弱々しく水面を漂うように鼻上げしているので、他の原因と区別がつきやすいです。
酸欠は命に係わる非常に危険な状態ですので、速やかに対処して下さい。
- 換水する
- エアレーションを行う
- 水面を揺らす
一番簡単な対処方法は換水ですが、飼育環境によっては根本的な解決にならない可能性もあるので注意が必要です。
酸素不足の効果的な対策はエアーポンプを使ったエアレーションです。
それと現在のろ過装置(フィルター)によっては、設置方法を少し変更するだけで、エアレーション代わりになったりします。
・上部フィルターや外掛けフィルターの場合
水面と水の落ちる距離が近すぎませんか?
水面と排水の距離を取ることで水中に空気が取り込まれます。
これはエアレーションと同等の効果があります。
・外部フィルターや水中フィルターの場合
フィルターへの給水と排水を水中で行うと、エアレーションの効果がありません。
排水を水面外で行うことでエアレーション効果が得られる場合もあるので工夫してみましょう。
3.水質悪化で行き場を失っている
きちんと定期的に冠水していますか?
金魚はエサをよく食べますから、ついついエサを多く与えてしまうことがあります。
またエサを多く与えれば、その分だけフンも多くします。
「金業の数、水量(水槽の大きさ)、フィルターの容量、バクテリア、換水頻度」これらのバランスがとれていなければ、水質が悪化してしまいます。
金魚は水質の変化に強い魚ですが、裏を返せば気づいた時にはとんでもなく水質が悪化していると言う事もあります。
換水頻度は飼育環境によって異なりますが、一般的には1~2週間に1度、水槽の1/3~1/2の水を交換するべきだとされています。
またフィルター(ろ材)も、定期的な洗浄や交換が必要になります。
4.エラ病で呼吸困難になった
金魚のエラ病は様々な原因で発症します。
一番多いのが水質悪化が原因の細菌による感染症で、次に多いのが寄生虫などがエラで繁殖することが原因です。
どちらの場合もエラの中で起こる事なので、初期段階では見逃しやすく手遅れになることが多いです。
エラ病の症状は、金魚の呼吸が早くなって水面を漂ったり、水槽の底を動かなくなったりと様々です。
5.エサが原因で空気を食べて転覆する
実はこの記事はこの項目が書きたくて書くことにしたのですが、思いのほか前書きが長くなってしまいました。
我が家の金魚は、エサを与えた後に必ずエア食いをしておりました。
そしてそのエア食いは数時間にも及び、その後はお腹に空気でも入れられたかのように浮かんで転覆してしまうのです。
例えば朝にエサを与えたら、夕方には沈めなくなっており、その後にするフンには空気が混じっていると言う症状です。
このある種の転覆病は、ネットで原因や治し方を調べても的外れな情報が多く、根本的な解決には繋がりませんでした。
- エサが不足している
- エサを与えすぎている
- エサが古い
- エサの消化不良
- エサに含まれる小麦粉が原因
- 浮上性のエサから沈下性のエサに変更しなさい
- 水温が低い
- 様々な内臓の病気
- その種の先天的な疾患によるもの
新しく買った、いつもより少し高価な沈下性のエサに変え、きれいな水に換水して水温にも気を付け、消化系をリフレッシュする為にココア浴もやってみましたが、我が家の金魚はエア食いをやめませんでした。
ならば病気の可能性、または「琉金・らんちゅう・ピンポンパール」など腹が丸い種の運命と言われれば手の打ちようがありません。
そんな時、ふとした事がキッカケでエサを与えたことが原因でエア食いするということを証明することが出来ました。
そして、その原因を排除することでエサ後のエア食いを、ほぼ完全にやめさせることに成功しました。
この続きはやはり長くなりそうなので、別のページに書くことにします。
エサを与えた後にエア食いする金魚を飼育している方は、そちらをご覧ください。
追記:エア食い防止ネットを設置したら転覆病が完全に治りました。
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